担保と保証の仕組み

担保や保証についての知識は、今ではビジネス社会に生きる人たちにとっては必須のものです。

ローン担保証券、国内保有3年半で2.7倍

日本の金融機関が世界市場全体の2割弱を持つローン担保証券「CLO」を巡り、日銀と金融庁が初の合同調査結果を公表し、2019年9月時点の大手行の保有額は合計13.8兆円で、3年半前の2.7倍となっているようです。

基本的には最も格付けの高い商品が大半を占める点を評価する一方、金融市場の混乱で価格が大幅に下落し減損損失が出るリスクも指摘しています。

ビル群
ビル群

CLOは複数の低格付け企業へのローン債権を束ねた商品で、企業の支払う利息がCLOを持つ投資家の利益になるのですが、世界の残高は18年末で82兆円にのぼり、10年間で2倍以上に増えています。

08年の金融危機の一因になったサブプライムローンから組成した証券化商品と似ているとの見方があり、各国の規制当局が注視していて、日銀と金融庁の調査によれば、CLOは大手行が大半を保有しており、99%以上がトリプルA格で、米銀(77%)や英銀(50%強)と比べて高い水準にあり、金融危機が起きても「満期まで持ちきった場合の損失率は抑制されている」と評価しています。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でCLOの裏付けとなっている融資企業の格下げが増えており、格下げで市場価格が大きく下がれば、日本の金融機関も減損損失が発生する恐れがあります。

金融市場の混乱で3月はCLOの価格が大きく下がっており、こうした市場の影響なども「十分警戒する必要がある」とした。